その日の、咲村先生の回診のときに私は、許可を取ることにした。許可を取れなかったと言って、断ろうかとも思ったけれども、私は一度頼まれたら断れない性格なのだ。
「はい、終わり。今日も特に問題はないよ。でも退院はまだまだ先になるかな…」
と咲村先生は言う。私は、『嘘だ』と心のなかでつぶやく。だって私の余命はあと1年ほどしかない。問題がない訳がない。先生も、よく嘘をつけるものである。咲村先生には生まれたときからお世話になっていて、余命宣告を両親に告げたのも咲村先生だ。でもそれを聞いてしまったときは、そんなことしてもしょうがないのに先生を恨んだりもした。でも今は、そんな事正直どうでもいい。考えるだけ無駄だ。
「あの、今度の土曜日3時間だけでいいので出かけたいんですけどそれはだめですか?」
というと、咲村先生は、
「今は調子も安定してるしその時の体調によるけどそのくらいなら大丈夫だよ。息抜きも大切だしね。ちなみにどこへ行くのかい?」
と聞かれた。私は素直に
「この病院に入院してる優っていう子に誘われたんです」
と答えると咲村先生は、
「ああ、優くんね。さっき結愛ちゃんと同じように外出許可を取っていたよ。『彼女と遊びに行くんです』って嬉しそうに言っていたよ。もしかして結愛ちゃんが優くんの彼女なのかい?」
私の顔はぼっと爆発したようにみるみるうちに真っ赤になった。1日だけって言ったのにここでもその話を使うつもりなのかよ。と少しイライラしたので思いっきり
「違います‼」と答えた。そして私は診察が終わった後、優の待つ屋上へと向かった。
屋上につくともう優はいて、きれいな茜色の夕焼けを眺めていた。
「外出許可、取れたよ」
と言いながら私は、フェンスにもたれけけている優の隣へ歩いていった。優は、
「そっか、ありがとう」
と私の方へ微笑みかけながら言った。思わずドキリとしてしまって、早口で
「でさ、土曜日ってどこに行くの?」
と尋ねた。
「えっとね…」
と言いながら優は、スマホを取り出して何かを調べ始めた。
優は、
「ここだよ!駅前にあるショッピングモール何だけどここで買い物とかをする予定」
とスマホを見せながら私に教えてくれた。
「そこは…」
と黙ってしまう私
「どうしたの?」
と聞く優の心配そうな顔を見たら
「大丈夫‼なんでもないよ」
と作り笑いを浮かべた顔を見せるしかなかった。
そして、約束の土曜日。久しぶりの外出だからと私は張り切ってメイクをして入院バックの中に入っている少ない私服の中からお気に入りの服を着て優と約束している病院のエントランスへと向かった。ちなみに外出のことをお母さんたちは少し反対していたが青春を楽しませてよ。という私の言葉に渋々許可をもらうことができた。ほとんど優に無理やり行かされそうになったところもあったけれど、久しぶりの外は楽しみだ。エントランスについていつもと違う私に優は最初驚いていた。
「なに?もしかして変?」
と私が聞くと優はまんまるの目のまんまで
「いや…いつも病院ではパジャマを着てたからなんか雰囲気違うなって思って」
と言った。
「えっやっぱり変?」
と尋ねると、
「そんなことないよ、めっちゃ可愛くて驚いてんの」
と優はニコニコ笑いながら言った。その言葉に私は、ついつい顔が赤くなってしまった。
もう、最近私この笑顔に惑わされすぎ‼
「よし、じゃあ行こうか」
と言って手を差し出してきた。
「いやいや、なんで手をつなぐの」
と言い、差し伸べられた手を払う。
「でも、今日は僕の彼女のふりをしてくれんるんでしょ。それとも、本物のカップルはこんなことしない?」
とニヤリと笑いながら優は、また手を差し出す。う~、またやられた。仕方なく私は、差し伸べられた手を取る。
「じゃ、しゅっぱーつ!」
「はい、終わり。今日も特に問題はないよ。でも退院はまだまだ先になるかな…」
と咲村先生は言う。私は、『嘘だ』と心のなかでつぶやく。だって私の余命はあと1年ほどしかない。問題がない訳がない。先生も、よく嘘をつけるものである。咲村先生には生まれたときからお世話になっていて、余命宣告を両親に告げたのも咲村先生だ。でもそれを聞いてしまったときは、そんなことしてもしょうがないのに先生を恨んだりもした。でも今は、そんな事正直どうでもいい。考えるだけ無駄だ。
「あの、今度の土曜日3時間だけでいいので出かけたいんですけどそれはだめですか?」
というと、咲村先生は、
「今は調子も安定してるしその時の体調によるけどそのくらいなら大丈夫だよ。息抜きも大切だしね。ちなみにどこへ行くのかい?」
と聞かれた。私は素直に
「この病院に入院してる優っていう子に誘われたんです」
と答えると咲村先生は、
「ああ、優くんね。さっき結愛ちゃんと同じように外出許可を取っていたよ。『彼女と遊びに行くんです』って嬉しそうに言っていたよ。もしかして結愛ちゃんが優くんの彼女なのかい?」
私の顔はぼっと爆発したようにみるみるうちに真っ赤になった。1日だけって言ったのにここでもその話を使うつもりなのかよ。と少しイライラしたので思いっきり
「違います‼」と答えた。そして私は診察が終わった後、優の待つ屋上へと向かった。
屋上につくともう優はいて、きれいな茜色の夕焼けを眺めていた。
「外出許可、取れたよ」
と言いながら私は、フェンスにもたれけけている優の隣へ歩いていった。優は、
「そっか、ありがとう」
と私の方へ微笑みかけながら言った。思わずドキリとしてしまって、早口で
「でさ、土曜日ってどこに行くの?」
と尋ねた。
「えっとね…」
と言いながら優は、スマホを取り出して何かを調べ始めた。
優は、
「ここだよ!駅前にあるショッピングモール何だけどここで買い物とかをする予定」
とスマホを見せながら私に教えてくれた。
「そこは…」
と黙ってしまう私
「どうしたの?」
と聞く優の心配そうな顔を見たら
「大丈夫‼なんでもないよ」
と作り笑いを浮かべた顔を見せるしかなかった。
そして、約束の土曜日。久しぶりの外出だからと私は張り切ってメイクをして入院バックの中に入っている少ない私服の中からお気に入りの服を着て優と約束している病院のエントランスへと向かった。ちなみに外出のことをお母さんたちは少し反対していたが青春を楽しませてよ。という私の言葉に渋々許可をもらうことができた。ほとんど優に無理やり行かされそうになったところもあったけれど、久しぶりの外は楽しみだ。エントランスについていつもと違う私に優は最初驚いていた。
「なに?もしかして変?」
と私が聞くと優はまんまるの目のまんまで
「いや…いつも病院ではパジャマを着てたからなんか雰囲気違うなって思って」
と言った。
「えっやっぱり変?」
と尋ねると、
「そんなことないよ、めっちゃ可愛くて驚いてんの」
と優はニコニコ笑いながら言った。その言葉に私は、ついつい顔が赤くなってしまった。
もう、最近私この笑顔に惑わされすぎ‼
「よし、じゃあ行こうか」
と言って手を差し出してきた。
「いやいや、なんで手をつなぐの」
と言い、差し伸べられた手を払う。
「でも、今日は僕の彼女のふりをしてくれんるんでしょ。それとも、本物のカップルはこんなことしない?」
とニヤリと笑いながら優は、また手を差し出す。う~、またやられた。仕方なく私は、差し伸べられた手を取る。
「じゃ、しゅっぱーつ!」