一人になったところでふと、余命宣告を聞いて書いてみた死ぬまでに叶えたいことリストを取り出した。
1、雪遊びをしてみたい
2、家族と旅行に行きたい
3、恋をしてみたい
ホントはまだまだしたいことはあったけど病気のことを考えて絞っていったらたくさんあったしたいことは3つにまで減ってしまった。雪を見たいという願いを叶えるために毎朝外を眺めているけれども、雪がふる気配は全くない。とりあえず家族旅行は置いとくことにしても、恋をする気配もまったくない。
トントンという音で現実に引き戻される。佐倉さんが忘れ物をしたのかな?と考えているうちに
「入るね〜」
という元気な声と一緒に、親友の小春と芽生が病室に入ってきた。二人は小さい頃からの友達で、一ヶ月前に倒れてからほぼ毎日お見舞いに来てくれる。
「結愛、体調はどう?」
心配そうに小春は聞く
「大丈夫だよ〜もう、二人は大げさなんだから。毎日来てくれなくても大丈夫だよ。発作なんていつものことだしもうこのとおり元気だもん!」
と元気満々の様子でいう私に芽生は
「大丈夫だったらそんなに入院してないでしょ。結愛は大切な友達なんだから元気にしててもらわないと」
とプンプン怒りながら言った。そんなことを言ってもらえて嬉しくて思わず泣きそうになっていると、
「もう、泣かないの」
と二人に笑われた。
「泣いてないもん」
と反論すると
「うちの結愛はやっぱりかわいいな〜」
といって頭を撫でられた。私は、ペットじゃないんだけど。と頬をふくらませると、そうだ!と思い出したかのように小春が
「今年は、文化祭結愛も来れる?」
と聞いてきた。去年は、少し体調を崩して文化祭へは行くことができなかった。だから今年こそは絶対に行きたかったのだけど…
「この様子だと、体調は大丈夫だけど家のみんながが許してくれなさそうなんだよね。特にお兄ちゃんが…」
とはぁ〜とため息交じりに私は言う。ちなみにお兄ちゃんは、お医者さんで海外の有名な病院で働いている。そんなお兄ちゃんのことが今まで私の誇りだった。でもそれはある一件がある前の話で今は距離を置きたい存在に変わっている。
「そっか〜残念…楽しみにしてたのにね」
と、小春が残念そうに言う。
もしかしたら最後かもしれない文化祭なのに…と思う気持ちもあるけれど、これはもうしょうがない。と諦める。その後少し、芽生と小春と話したあと、芽生たちは
「じゃあまた明日ね!」
といって帰ってしまった。そうなるともう暇だ、どうしよう?そういえば、この病院の屋上にまだ行ってないかも!と思い屋上へと私は向かった。入院したばかりの頃、こっそり病室を抜け出したりして病院の中を飽きるほど探検したのでもう私は、病院中を知り尽くしている。きっとこの病院の患者の中で一番病院を知り尽くしているのは私だな〜。そんなことを考えているうちに屋上に着くと、雲一つないきれいな青空が広がっていた。
「うゎ〜きれい!」
と感動していると
後ろから
「きれいだよね。ここ、僕のお気に入りのばしょなんだ」
という声が聞こえた。思わずビクッとはねてしまった。恐る恐る後ろを振り返ると、ニコニコしている男の子がいた。男の子はすごく整った顔立ちをしていて何故かこちらをキラキラした目で眺めていた。
「あれ?初めて見る人だ。」
と男の子は言った。
「僕は、田中 優っていうんだ、優って呼んで。君もここに入院してるの?」
私は、何故か人懐っこい犬のような男の子に驚きながらも
「私は、桜井 結愛。そうだよ、一ヶ月前くらいから入院してるんだ」
と答えた。優は、私と同じ心臓の病気らしく最近入院したばかりだそうだ。優は、私と同い年だとわかって喜んでいた。まぁこの病院は、一般病棟にはおじいちゃんおばあちゃんが多いので、あまり同い年の人と出会わなくて、私も退屈していたので正直少し嬉しかった。でも、私と同じ心臓病といわれてなぜか胸がズキリと痛んだ。その次の日から、私と優はたまに屋上に集まり話をするようになった。
1、雪遊びをしてみたい
2、家族と旅行に行きたい
3、恋をしてみたい
ホントはまだまだしたいことはあったけど病気のことを考えて絞っていったらたくさんあったしたいことは3つにまで減ってしまった。雪を見たいという願いを叶えるために毎朝外を眺めているけれども、雪がふる気配は全くない。とりあえず家族旅行は置いとくことにしても、恋をする気配もまったくない。
トントンという音で現実に引き戻される。佐倉さんが忘れ物をしたのかな?と考えているうちに
「入るね〜」
という元気な声と一緒に、親友の小春と芽生が病室に入ってきた。二人は小さい頃からの友達で、一ヶ月前に倒れてからほぼ毎日お見舞いに来てくれる。
「結愛、体調はどう?」
心配そうに小春は聞く
「大丈夫だよ〜もう、二人は大げさなんだから。毎日来てくれなくても大丈夫だよ。発作なんていつものことだしもうこのとおり元気だもん!」
と元気満々の様子でいう私に芽生は
「大丈夫だったらそんなに入院してないでしょ。結愛は大切な友達なんだから元気にしててもらわないと」
とプンプン怒りながら言った。そんなことを言ってもらえて嬉しくて思わず泣きそうになっていると、
「もう、泣かないの」
と二人に笑われた。
「泣いてないもん」
と反論すると
「うちの結愛はやっぱりかわいいな〜」
といって頭を撫でられた。私は、ペットじゃないんだけど。と頬をふくらませると、そうだ!と思い出したかのように小春が
「今年は、文化祭結愛も来れる?」
と聞いてきた。去年は、少し体調を崩して文化祭へは行くことができなかった。だから今年こそは絶対に行きたかったのだけど…
「この様子だと、体調は大丈夫だけど家のみんながが許してくれなさそうなんだよね。特にお兄ちゃんが…」
とはぁ〜とため息交じりに私は言う。ちなみにお兄ちゃんは、お医者さんで海外の有名な病院で働いている。そんなお兄ちゃんのことが今まで私の誇りだった。でもそれはある一件がある前の話で今は距離を置きたい存在に変わっている。
「そっか〜残念…楽しみにしてたのにね」
と、小春が残念そうに言う。
もしかしたら最後かもしれない文化祭なのに…と思う気持ちもあるけれど、これはもうしょうがない。と諦める。その後少し、芽生と小春と話したあと、芽生たちは
「じゃあまた明日ね!」
といって帰ってしまった。そうなるともう暇だ、どうしよう?そういえば、この病院の屋上にまだ行ってないかも!と思い屋上へと私は向かった。入院したばかりの頃、こっそり病室を抜け出したりして病院の中を飽きるほど探検したのでもう私は、病院中を知り尽くしている。きっとこの病院の患者の中で一番病院を知り尽くしているのは私だな〜。そんなことを考えているうちに屋上に着くと、雲一つないきれいな青空が広がっていた。
「うゎ〜きれい!」
と感動していると
後ろから
「きれいだよね。ここ、僕のお気に入りのばしょなんだ」
という声が聞こえた。思わずビクッとはねてしまった。恐る恐る後ろを振り返ると、ニコニコしている男の子がいた。男の子はすごく整った顔立ちをしていて何故かこちらをキラキラした目で眺めていた。
「あれ?初めて見る人だ。」
と男の子は言った。
「僕は、田中 優っていうんだ、優って呼んで。君もここに入院してるの?」
私は、何故か人懐っこい犬のような男の子に驚きながらも
「私は、桜井 結愛。そうだよ、一ヶ月前くらいから入院してるんだ」
と答えた。優は、私と同じ心臓の病気らしく最近入院したばかりだそうだ。優は、私と同い年だとわかって喜んでいた。まぁこの病院は、一般病棟にはおじいちゃんおばあちゃんが多いので、あまり同い年の人と出会わなくて、私も退屈していたので正直少し嬉しかった。でも、私と同じ心臓病といわれてなぜか胸がズキリと痛んだ。その次の日から、私と優はたまに屋上に集まり話をするようになった。