一旦私達は、カフェに入り席についた。さっきのことがあったせいで優とは無意識に目をそらしてしまう。私達の中に流れた重い空気をごまかすように私はなるべく明るい声でみんなに話かけた。

「さっきはごめんね〜思わず腰抜かしちゃったぁ、３人ともありがとう！」

ニコニコ笑いながらそういう私に湊斗と遥菜ちゃんは安心してくれたようでホッと一息ついてくれた。優はというと

「何いってんの結愛は悪くないじゃん。悪いのはあいつらでしょ」

と口をとがらせていた。あいつら許さない。といいながら下を見てすねている姿はさながら子どものようだ。
すると優は突然顔を上げ私の手首を掴む。なに！？と思っていると

「今日一日は俺のものでしょ。あんな奴らのことなんて見ないで俺だけを見ててよ。」

優は私にしか聞こえないような声でそう耳元に呟いた。
みるみるうちに顔に熱が集まっていくのを感じる。きっと今の私の顔はゆでダコみたいに赤くなっているだろう。
ちらっと優を見ると言ってやったぞという満足げな顔をしている。
そしてそんなわたしたちを見て湊斗と陽菜ちゃんは不思議そうな顔をしている。そんな二人にはお構いなしに

「なーんちゃって。照れてる結愛もかわいいよ」

優はテヘッと舌を出して笑う。

「優ったら、なんでそんな事言うのよ、、、。ははっ！」

なんだか照れている自分もナンパされた事実も何もかも面白くなってしまい私は思わず笑う。
そんな私を見て三人も顔を見合わせ笑う。
さっきまでの重たい空気はもうなくなっていた。