カフェに着くとまだ二人は来ていなかったので端のほうでで待っていることにした。このままだと暇だな、どうしようかな?と考えていると

「そういえばさ〜、その服いつの間に買ってたの?全然気づかなかった!」

と陽菜に聞かれた。私は少し意地悪がしたくなり

「ヒ・ミ・ツ」

と口に人差し指を当てて答えた。陽菜ちゃんは納得がいかないようでなんでよ〜と少しぐずっていた。ちょっと思っていたけど、男の子っぽいキャラではなくて、こっちのほうが陽菜ちゃんのホントの姿なのかな。そんなことをしてじゃれ合っていると、背後になにか気配を感じた。二人がきたのかな?と思い振り返るとそこにいるのは、ニヤリと笑った男たちの集団だった。

「ねぇねぇ、お姉さんたちいま暇?俺達と遊びに行かない?」

とニヤニヤ笑いながら近づいてきた。うわ…これがナンパ?ニヤニヤと笑う男たちに急に私は気持ち悪くなってしまい思わずしゃがみこんでしまう。そんな私を見て陽菜はなにかスイッチが入ったらしく、

「暇じゃないです。あなた達なんかとは遊びに行きません」

と凛とした様子で言った。そんな陽菜に、男たちは一瞬たじろいだがすぐに

「強気なのも可愛いね〜いいから俺達と行こ!絶対楽しいよ」

と言い陽菜の手首を掴んでどこかへ連れて行こうとした。陽菜も『離して‼』と対抗しているが、男の人の力には敵わず手をブンブンと振っているだけだ。どうしよう、このままじゃ連れて行かれちゃうと思いぎゅっと目を閉じた。

「俺達の彼女になにしてんの」

と言う誰かの声に思わず目を開けると、優と湊斗くんが私達の前に立っていた。すると男たちは

「ちっ、なんだ彼氏いんのかよ」

といって走って立ち去っていった。男たちが行ったのを見て優は私の方へきて

「結愛‼どうした?もしかして発作起きた!?大丈夫?」

と慌てて聞いて来た。私は安心してつい優に抱きついてしまった。優は驚いていたがぽんぽんと私の背中を叩いて抱きしめ返してくれた。

「発作は起きてない。ちょっと怖くなっちゃっただけ」

と答えると、優はあからさまにホッとした顔になって

「来るの遅くなってごめんね」

と言ってくれた。優のせいじゃないよと言う意味で首をブンブンふる。何故か周りから生暖かい視線を感じはっと我に返り優から離れる。何やってんだろ私、怖かったからって普通に抱きつかないよね!?正気に戻るとみるみると顔が赤くなって行くのを感じる。

「よかったね〜結愛ちゃん‼」

と陽菜ちゃんからは言われたけれどほんとに恥ずかしすぎる‼何故か優は怖い顔してるし、あとが怖い…とりあえず私達はカフェでの中に入ることにした。