ずっと暗い気持ちでいるわけにもいかないので気持ちを切り替えて愛想笑いを顔に貼り付ける。
服屋さんで陽菜ちゃんの服を買ったあと陽菜ちゃんにはそのまま服を着ていてもらった。次にするのは髪型だ。
女子トイレの中の椅子のあるドレスルームで陽菜ちゃんのさらさらで長い髪をとかす。私はバックの中に入っているポーチを取り出し手際よく陽菜ちゃんの髪の毛をお団子にまとめていく。あとは少しヘアアイロンで巻いてふわふわとした感じにして完成だ。

「これで終わりだよ!髪型変えただけでめちゃくちゃかわいくなった!羨ましいわ〜」

と鏡を渡しながら私は伝える。鏡を見た陽菜は言葉の通り目を丸くしてびっくりしていた。

「結愛ちゃんすごいね!髪型だけでこんなに雰囲気変わるなんて」

と言われ、少し嬉しくなった。そういえば、学校に通っていたころもこうやってみんなの髪を結んだりして遊んでいたなと思い出す。
もうあの頃の生活には戻れないのかなぁ…でもしょうがないよねもう余命1年くらいしかないし。

私は陽菜ちゃんに、外で待っててと伝えて、フィッティングルームへと向かう。ほんとこのショッピングセンターすごいよね。トイレでさえ色んなところがあるなんて。

フィッティングルームで私は先程陽菜ちゃんがいない間に陽菜ちゃんを驚かせようと思いこっそり買っていた服に着替える。この服は陽菜ちゃんの着ている服と色違いのものだ。新しい服に着替え、ぱぱっと髪を結びなおし陽菜ちゃんの下へと急いでいくと陽菜ちゃんは壁に寄りかかってスマホを見ていた。

「遅くなってごめんね〜」

と声をかけながら近づいていくと何故かスマホを素早く隠した。ん、なにか隠してる?

「あっ結愛ちゃん!あれ?服と髪型変わってる?もしかして服色違いのやつ?めっちゃ似合ってるよ〜」

と少し早口で言われた。これ絶対なにかかくしてるよね。問い詰めたい気持ちもあるけれどもう時間なのでカフェに向かうことにした。