「お母さん、どこ?」



私が人混みに揉まれてはぐれてしまったのだ。



私が必死になってホテルに戻ろうとしていると、日本人らしき男の子を見つけた。



「あの、すいません。
ロイヤルホテルにはどうやって行くんですか?」



男の子はジロリと私を睨み、頷いた。



私の手首を掴んで、引っ張っていく。