「俺は一応、通訳っていうので立ち会いを許された。
だから、お前がもう言葉がわかるなら俺は付き添えない。」


「そんな…。」



どうしよう…。



一人で長に会うの?



「まあ、捕って食いはしないだろ。」


「…嫌な印象与えるの止めてよ。」


「安心させようとしただけだよ。」



むしろ不安。



上手くいきますように…。




数分後、私は広間に通された。



つるつるした大理石の床を数歩歩いて、雷翔を振り返った。



「頑張れ。」



私は声が出ず、頷いて前に進んだ。