人間で言う大統領とか総理大臣に会うんだからあたりまえか。



雷翔は私の手を繋ぎ、周りをキョロキョロしながら中に入った。



コツコツと音を立てて、誰かが歩いてきた。



綺麗な女の人だった。



「長に会いに来た。」



雷翔が言うと、女の人は深々とお辞儀して言った。



「聞いています。
それではこちらへ。」



あ、そういえば言葉がわかってる。


もう私もヴァンパイアなのかな?



「ねぇ、私、言葉がわかったよ。」



雷翔の手を引っ張ると、雷翔は難しい顔をした。



「じゃあ一緒に入れない。」


「どういうこと?」