「着いた。」



もうそんなに時間がたったのか。



私の中ではさっき寝たばかりだったのに。



「立てよ。」



促され、地面に足をつけた。



「う、わぁ…。」



私達は世界遺産になっているんじゃないかというくらいの建物の前にいた。



「ここ?」


「ああ。」



雷翔は短く返事をして歩き出した。



後ろ姿が緊張している。



雷翔もなんだ。