ヴァンパイアのKiss

そうこうしているうちにウィーンに着いた。



「行くぞ。」



雷翔はサッと立ち上がって歩き出した。



私もはぐれないように必死でついて行く。



「待って。」



人混みに阻まれ、距離が開いてしまった。



雷翔は気が付いて私の手を繋いだ。



私はちょっと嬉しくなって握り返した。






「こっからタクシーで行くし、お前は寝ていっていいぞ。」



タクシーに乗り込むと、雷翔は私を頭を自分の肩にもたれさせて言った。



「ありがと。」



私は雷翔に甘えて寝ていった。