ヴァンパイアのKiss

「まず、長に会ったらいいって言われるまで頭を上げるな。」



走りながら、雷翔はスラスラ喋り始めた。



舌噛まないのかな。



「質問されたことしか話すな。」



厳しい人…ヴァンパイアなのかな。





人目につく場所に出るまで、雷翔は私をおぶって走った。



「こっから歩け。」



そう言って降ろされたのは、空港まであと少しの国道だった。