生徒会長は、エイプリルフールの日付を知らない。

saori「ふぇっ?」

あわあわとして焦る先輩の顔が、ほんと、どうしょうもなく好きだ。

この天才美少女ではなく、天然美少女といった方が良いぐらいの可愛い先輩を、俺が守り抜かないとな。

「俺を選んでくれて、ありがとうございます。あとでエイプリルフールだとか、言わないでくださいよ?沙織先輩」


saori「さっきさん付けで呼んでくれたのに」


ryo「さっきのは特別です、選んでくれたお礼みたいなものです、さ、気持ち切り替えて仕事しに戻りますよ。時間です、生徒会長の沙織先輩」


saori「まかせて!でも、もうちょっとだけ、ふふ、…ふへへ…嬉しいね」

こんなにやけ顔でも、仕事の時は、全くの別人ぐらいキリッとしごとするんだから、これは俺だけの特権を得てしまったな。

ryo「じゃあ、置いていきますよー、お先にー」

切り替えるのは俺だ。平気なフリするのなんて慣れてただろ。

そう思いながら、ゆっくりとドアを開ける。

廊下の窓は開いていて、薄いピンク色の花びらが
開けたドアの隙間を通り抜ける。



saori「んあぁ〜、まってぇ、切り替えるから!」

そよ風の波に乗せられた桜の花びらが、俺たちのいた教室を舞った。

パチンッ「…よし」そう呟き

両手で頬を叩くと、いつもの生徒会長へ戻った。


saori「亮くん。行こっか、仕事たくさんあるよ〜新しい年度に変わったから、頼るからよろしくね」

ryo「はい、沙織先輩」


こうして2人は隠れて付き合い始めるのだった。



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生徒会長は、エイプリルフールの日付を知らない。