ごめんね。さようなら。

「紗季さん、あなたは心不全です。」


ねぇ?神様お願いです。これは夢であると言ってください。これは現実ではないと。


そんな自分の妄想を切り裂くように先生はまた、話を続けた。


「紗季さん、あなたは気づくのがだいぶ遅かったので今から治療しても、完治には至らないでしょう。」


どうしたらいいの。なんで人生ってこんな不幸なの。なんでわたしだけなの。


誰にもぶつけることのできない感情がただわたしの心へと響くだけだった。