ごめんね。さようなら。

そんなことを思い出しながら車に乗って揺られていると、もう家に着いた。


「ねぇお母さん、このこと涼くんにも言わなきゃだよね?」


そう、お母さん同士が知り合いだから私たちが付き合っているのももちろん知っている。


お母さんは、「そうね。涼くんにも伝えなきゃよね。」


それだけを言って家に入って行った。


わたしは独り言のように呟いた。


「ねぇ涼くん?わたしがこんな状況だって聞いたら悲しむよね。もう辛いから一緒にいたくないよね。」


涙が頬をつたいながら地面にそっと落ちていった。