学年期末試験も終わって、少しずつ春めいてきた3月の上旬の日曜日。
わたしは、お母さんに買い物を頼まれて外へ出かけた。
風はまだ冷たいけど、かすかに春の空気を含んでいるのがわかる。
そういえば、今月の27日は柊くんの誕生日なんだ。
プレゼントどうしようかな?
アクセサリーは……柊くんはつけないし。
マフラーや手袋はもう季節はずれになるし。
他に、男の子にプレゼントして喜んでもらえるものってなんだろう?
せっかくだから、少しお店を見てみようかな。
お母さんに頼まれた買い物を終えたわたしは、お店を見ようと通りを歩いていた。
カップル、友達同士、親子。日曜だから、たくさんの人がいる。
そして、オシャレで雰囲気が良くておいしいと人気のカフェの前を通りかかった時、お店の中に、見覚えのある人の姿が見えた。
柊くんだ。なんでここにいるんだろう?
そう思って近づいてみて、ハッとした。