「紫苑、校内のイケメン男子特集に麻井先輩入ってるよ!」
二学期が始まって一週間が過ぎたある日、沙苗がわたしに校内新聞を見せてきた。
「麻井先輩、中学時代から結構人気あったもんね~」
「そうだね」
「あ~紫苑が羨ましいよ~。こんな人気のある人とつきあってるなんて」
「いや、でもまだつきあい始めたばかりだし」
「へぇ、藤咲さんってつきあってる人いるんだ?」
沙苗とふたりで話していたら、隣の席で英語の予習をしながら話を聞いていたらしい葉月くんに声をかけられた。
隣の席だから結構話すし、今では気軽に会話できるようになったんだけど、さすがに恋愛の話は恥ずかしい。
「え~っと……」
なんて答えたらいいかわからない。
麻井先輩は同じ中学校出身で、バスケ部に入っていて女子に人気があるモテ男子。
笑顔がさわやかで優しい雰囲気だなとわたしも好感を持っていたんだけど、1学期の終わり頃に告白されて、つきあうことになった。