翌日、月曜日の放課後。


わたしは偶然ひとりで帰り道を歩いている葉月くんを見かけて、思い切って声をかけた。


「話したいことがあるんだけど、時間大丈夫かな?」


久しぶりに話をするから、緊張する。


「近くに公園があるから、そこでいい?」


葉月くんは前と変わらずに話してくれた。


「話したいことって、なに?」


公園に着くと、葉月くんがわたしに言った。


「……あの……6歳の時のこと、わたし、ずっと気づかなくてごめんね」


「……え?」


「わたし、昨日莉苑ちゃんに会いに行ったの。それで、6歳のときのことを聞いてやっと思い出したんだ」


葉月くんは、黙って話を聞いてくれている。


わたしは緊張しながらも、一生懸命自分の気持ちを伝えようと話を続けた。


「わたし、莉苑ちゃんと葉月くんが楽しそうに話してるのを見て、すごく辛かった。葉月くんは莉苑ちゃんのこと好きなのかもしれないって思って……」


わたしの言葉で葉月くんは何かに気づいたのか、真剣な表情になった。