「お姉ちゃん、このお花あげる」


「ありがとう。このお花、シオンの花だね」


「うん。あのね、シオンのお花見つけたとき、知らない男の子とお話ししたの。それでね、わたしの名前、かわいいって言ってくれたんだよ」


「そっか。よかったね」


――――…………


……夢……?


日曜日の朝、莉苑ちゃんとわたしが小さかった頃の夢を見て目が覚めた。


あの日からもう2週間近く莉苑ちゃんに会いに行ってない。


葉月くんは、莉苑ちゃんに会いに行っているのかな。


葉月くんともなんとなく顔を合わせづらくて、ほとんど話せなくなった。


席替えして、もう隣の席じゃなくなってしまったし。


莉苑ちゃん、相当傷ついただろうな。


わたしが莉苑ちゃんにあんなにひどい態度とったことなんて、今まで一度もなかったから。


そんなことを思いながら何気なく本棚を見ていたら、一冊のアルバムが目に留まった。