それからあっという間に文化祭も終わって10月に入った。
文化祭って準備はすごく時間がかかるのに、当日はあっという間に過ぎてしまうんだよね。
お祭りムードだった学校も落ち着いて、先生たちは早くも中間試験のことを気にし始めている。
わたしは相変わらず週2回のペースで葉月くんと一緒にお見舞いを続けている。
「藤咲さん、葉月くんとつきあってるってウワサ本当なの?」
休み時間、クラスの女の子たちがわたしに聞いてきた。
これで何回目だろう?
学校帰りにそのまま葉月くんと一緒に病院まで行っているから、そんなウワサが流れてるのかな。
「ねぇ、ホントなの?」
「やっぱりつきあってるの?」
「どっちから告白したの?」
みんな興味津々でわたしに聞いてくる。
「……あの……」
わたしが答えに困っていたら、
「つきあってるわけないでしょ。藤咲さんは麻井先輩ともすぐ別れてるし、イケメンで遊べる男の子がいいんじゃない?」
どこからか、そんな悪意たっぷりの言葉が聞こえてきた。