「なにそれ!? サイテーじゃない、麻井先輩!」


「沙苗、声大きい!」


「……あ、ごめん」


翌日の放課後、わたしと沙苗は学校の近くのファストフード店に寄った。


それで昨日のことを話したんだけど、沙苗もかなり怒っている。


「やっぱりウワサは本当だったんだね~」


「うん。でもウワサを知らない麻井先輩のファンは、みんなあの爽やかな笑顔に騙されてるんだよね。ホントにサイテーな人なんだから!」


「でも、そのあと葉月くんに励ましてもらったんでしょ?」


「うん。偶然会って話を聞いてもらったんだけど」


「羨ましいよ~。今や癒し系王子として大人気の葉月くんと仲がいいなんて」


「う~ん……仲がいいっていうほどでもないと思うけど」


「だけど、隣の席だから話す機会は他の子よりずっと多いよね」


「まぁね」


その後もガールズトークに花を咲かせてわたしたちは家に帰った。