翌日から、わたしは柊くんとほとんど話せなくなってしまった。
今月末の文化祭の準備が本格的に始まったこともあって、登下校も別々。
そんな状態が約2週間続いて、ついにわたしと柊くんが別れたというウワサが出始めた。
そして沙苗や莉苑ちゃんが心配してくれている中、わたしの誕生日の日が来た。
柊くんとは相変わらず話せないまま、放課後になってしまった。
みんな文化祭の準備で残っているけど。
「やっぱり別れたんじゃない?」
「全然話さないもんね、あのふたり」
どこからかそんな話が聞こえる。
きっと、わたしと柊くんのことだ。
もうイヤだ。いつまでこんな状態が続くんだろう。
そう思って、教室を出た時だった。
「藤咲さん」
後ろから誰かに呼び止められた。
「笹木さん?」
声をかけてきたのは、笹木さんだった。