「今回の中間試験、クラストップは葉月、2位は笹木だ」
6月の初め。
朝のホームルームで担任の先生が嬉しそうに言った。
柊くん、クラストップなんだ。
1年の時から成績は良かったけど、すごいなぁ。
「すげぇ~クラス委員で1位2位独占じゃん」
「笹木さんって頭いいんだぁ」
「さすがクラス委員だよね」
クラスのあちこちからそんな話が聞こえる。
「本当に推薦した甲斐のあるクラス委員だな。これからもこの調子で頑張れよ」
先生が誇らしげに言った。
そう、柊くんも笹木さんも、先生からの推薦でクラス委員になったんだ。
ふたりとも、成績優秀な優等生だから。
わたしは相変わらず、ごく普通の平均点。
順位も真ん中あたり。
でも、英語は柊くんに教えてもらって結構いい点数が取れたけどね。
「柊くん、1位おめでとう」
ホームルームが終わってから柊くんに声をかけると。
「葉月くん、さすがだよね!」
「今度勉強教えて!」
あっというまに柊くんの周りに人だかり。