テレビ画面に移されたのは多目的ルーム。朝の挨拶とか校長の挨拶とか長々と色々やった後、やっとみんなが待っていた転校生の紹介となった。

「 ─ 2年A組に行かせてもらいます、星乃宇宙と言います。中途半端な時期に来てしまって馴染めるか不安ですが .. 仲良くしてくれると嬉しいです。」

と会釈をする彼女に私は思わずガタ、と椅子から立ち上がってしまった。何故彼女が此処に。そう思うのと同時にみんなの目線を集めている事に気が付き謝罪をして椅子に座った。

- 遡る事昨日の放課後

家に帰るのが憂鬱で、放課後、夕日に照らされる公園のベンチに腰をかけていた。

「 ... お兄ちゃん急に私の前から居なくなるなんて最低 .. 。」

そう思わず呟いていた。私には3つ上の兄が居て、仲良しの兄妹だった。兄がグレた時も優しく私に接してくれていのに、兄は父親と口喧嘩をしてから家を出ていってしまったのだ。

「 ... つまらない。」

毎日の様に両親にプレッシャーをかけられて、勉強を強要されて。兄もグレる前は両親に期待をかけられていたからこんな感じだったのだと思う。グレたことに対して私はなにも思わない。でも私を置いて出ていくなんて最低だ。

「 君が李蘭ちゃんか。」

足音もせず急に目の前から聞こえてきた声に驚き目線を上げる。するとそこには見しらぬ女性が立っていた。黒髪で青色のインナーカラー、そしてウルフカット。とても中性的な女性だと思う。

「 ... 誰ですかあなた。」

だが印象はどうでもいい。何故私の名前を知っているのか、何故私の目の前に現れたのか。その理由を私は問いかけた。