エイプリル・ラブ

ピンポーン

窓から見える空が茜色になってきた頃、真実の家のインターホンが鳴った。
真美のお母さんが玄関に向かう。

「はーい!どちら様?」

「すみません。隣の卯月です。こちらにうちの息子がお邪魔していると思うのですが・・・」

奏のお父さんの声が聞こえてきた。

「あ、はい!今開けますね。・・・奏君。お父さん迎えに来られたわよ」

お母さんがこちらを振り返って声をかける。

「はい。どうもありがとうございます」

奏と真実は一緒に玄関へと向かう。
扉が開くと奏の両親がスーツ姿で立っていた。

「どうもすみません。息子が鍵を忘れたために預かって頂いていたようで・・・。ご迷惑をおかけ致しました」

そう言って両親揃って頭を下げる。

「いえいえ!そんなお気になさらないで下さい。困った時はお互い様ですから」

「しかしお忙しい所にお邪魔したわけですし、後日何かお礼をさせて下さい」

「ほーんとに大丈夫ですよ!お気持ちだけでとても嬉しいです。強いて言うなら、うちの娘が同じことになった時に助けて頂けたら嬉しいですね」

「はい。それはもちろんです。いつでもいらして下さい。では申し訳ありませんが、本日はお言葉に甘えて失礼させて頂きます。奏、おいで。帰るよ」

「うん」

お父さんに声をかけられて、奏は荷物を持って靴を履いた。

「ほら、奏からもちゃんとお礼を言いなさい」

「ありがとうございました。お邪魔しました」

奏がペコリとお辞儀する。

「良いのよ。奏君、また遊びに来てね。ね?真実」

「うん。今日は遊べて楽しかったよ。また映画見ようね」

2人がそう言うと、頭を上げた奏は嬉しそうに笑った。

卯月一家が帰った後、真実とお母さんはリビングに戻る。

「いや〜奏君のご両親、相変わらず美形だったわね〜。お母さん未だになれないわ!」

「だね。学校でも奏君はファンクラブができそうな勢いらしいよ」

「それは納得だわ。それにしても奏君は本当に礼儀正しい子ね。中学生とは思えないわ」

「私も思った!でも面白い所もある子だったよ。友達になれたらいいなー!」

「本当ね。このマンション、真実と同世代の子がいなかったから、仲良くなってくれたらお母さんも嬉しいわ」