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時計の針が午後六時を指し、空がすっかり暗くなった頃。
わたしたちはふたり並んで、電車の座席に座っていた。
「次で降りるんでしたっけ」
「うん、次だね」
隣の拓海くんの方に頭を預ける。
拓海くんは一瞬わたしを見た後、何も言わずに肩を貸してくれた。
乗り物酔いか、さっきから頭がクラクラする。
昔から電車やバスでは酔ってしまう。
それで家族旅行を台無しにしたこともあった。
家族は璃恋が大丈夫ならいいよ、と言ってくれていたけど、一日を無駄に振ってしまったことはわたしの中で大きな罪悪感となった。
電車の動きが遅くなる。
拓海くんの肩に置いていた頭を起こし、体に力を入れて立ち上がった。
先に拓海くんが電車から降りる。
平日の夜といえど人は多い。
はぐれないよう、ぴったりと後ろについていく。
拓海くんは背が高いから歩くのが速い。


