濁った僕を抱きしめて

怒る璃恋の顔まで簡単に想像できた。
数分後にはきっと、その顔を真っ正面から見ることになるだろうけど。


「悪いけど、待たせてる人がいるんだよ」


男の身体を引き寄せ、肘で頭をついた。
鈍い衝撃が腕に走る。


男を道の端に座らせるように置いて、遠くに落ちていたレジ袋を拾った。


別に殺したわけではない。
素手で殺せるには殺せるけど、手が汚れるから嫌だ。


レジ袋の中を確認する。
豚肉のパックの包装が破け、中身が出ていた。


もう一回買ってこようか。
いや、まずは帰ろう。


右手にレジ袋を持って、家へと向かった。