濁った僕を抱きしめて

ぶんぶんと頭を振って考えを遮断する。


俺の近くにいた人が汚い物を見るような目で俺を見ている。
それは別にかまわない。


ーーだって俺は、汚い物だから。


頼まれた物をすべて買い、スーパーを出た。


璃恋が待つ家に向かって歩き出す。
待っている人がいる。


それだけのことが堪らなく嬉しい。


家に向かっている時間は楽しい。
どんな顔をして出迎えてくれるんだろう。


そうワクワクするのと同時に、ちゃんと元気でいるか不安になる。


誰かに攫われたりしていないだろうか。
体調が急に悪くなって倒れたりしていないだろうか。


そう思って、気がつくと走り出している。


一秒でも早く帰りたい。
声が聞きたい。顔が見たい。


そう思ってしまうのはもう末期なのだろうか。


今日も怖くなって走り出す。
いつもそうやって走るから、レジ袋の中が暴れて璃恋に怒られる。