濁った僕を抱きしめて

手に腥い匂いが染みついて離れない。


キッチンに石鹸は置いていないから、洗面所まで行って石鹸で手を洗った。
石鹸の爽やかな匂いがするけれど、やっぱり蓄積された匂いは離れることを知らない。


「拓海くん、これいつも使ってる銃です」
「お、ありがと。使い勝手悪いとかない?あったら変えるよ」


璃恋から銃を受け取る。
俺が昔使っていた物で、かなりの年配物だ。


「そう言えば、たまに引き金を引いても弾が出ないときがあるんです。いざという時危ないなぁって思うんですよね」


確かにそうだ。
今はまだ余裕綽々だけれど、いつ危なくなるか分からない。


生と死が紙一重のこの世界で、引き金を引いても弾丸が出ないのは命取りになる。


「何それ、もっと早く言ってよ。そうだ、せっかくなら新しいのにする?」
「新しいの……銃に可愛いものとかあります?」
「璃恋は銃に可愛いを求めてるの?」