濁った僕を抱きしめて

銃声は止まない。誰かがもがき苦しむような声が聞こえてくる。
涙が一筋、頬を伝っていった。




やっと銃声が止んだ。
どれだけ経ったのだろう。


すごく一瞬な気もするし、永遠のように長い時間のような気もする。
頭がクラクラする。ずっとふわふわと浮いているような感覚がする。
生きている心地がしない。


壁に手をついて立ち上がる。
それと同時にまた胃から何か迫り上がってくる。
壁に手をつき、下を見ながら吐いた。
吐瀉物が地面に落ちて跳ね上がる。


遠くに拓海くんの姿が見えた。
重たい足を引きずって追いかける。


話したい。何をしていたのか聞きたい。
でも、聞けない。


何とか拓海くんの後ろまで来た。
声をかけようか。
そうだ、わたしは携帯を返さないといけない。


ポケットから携帯を出す。
何か言おうとしても、何度も吐き出した口はからからで動かない。