濁った僕を抱きしめて

ひやりとした缶を口に当て、ぐいっと流し入れる。


ビール特有の苦みとシュワシュワとした炭酸が、喉を通っていった。





夜といえど、八月になると暑い。
だからと言って半袖でいるのは嫌なので、薄手のパーカーを羽織って家を後にした。


先程飲んだビールの酔いがきている。
不快になるような酔いではなく、体が浮いているような、そんな酔い。


今日も仕事だ。
今日はかなり数が多いらしい。
まあ君には余裕だろうけど、と言われて押し付けられた。


攻めた値段交渉をし、なんとか許容範囲に収めたところで電話を切った。


「よお」


今晩はそちらからお迎えスタイルか。
一人でも仲間を呼ばれる前に片付けたい。


男の髪の毛を掴み、体ごと引き寄せて銃を当てる。
銃声とともに男の体から力が抜けていく。


それを皮切りにうじゃうじゃと蛆のように男が湧き出てくる。


ーー始めよう。


左の口角だけを微かにあげて、俺は走り出した。


銃を片手で持ち、空いている手でナイフを握る。
感覚を研ぎ澄まし、足音や呼吸音がする方に銃を向ける。