濁った僕を抱きしめて

璃恋とずっと一緒にいたい。
手を繋いで、抱きしめ合って、キスをして。


それだけの平坦なことがどうにも叶わない。


「俺の人生、奪われてばっかだな……」


涙が一粒こぼれた。
口にして、よりそのことを自覚してしまった。


俺の人生は奪われてばかりだった。
それを自覚しないようにしていたのに、最期に自分で自覚してしまった。


そろそろ足の感覚がなくなってきた。
腕に力は入らないし、璃恋に支えられて辛うじて歩いている状態。


璃恋が引き金を引こうとする。
もう弾丸が切れたみたいで、どれだけ引いても銃声が響かない。


「くっそ、終わりかよ」


璃恋に俺が持っていた銃とナイフを突きつけた。
これが何を意味するか璃恋は悟ったみたいで、受け取ろうとしながらも首を何度も横に振る。


「嫌です嫌です、そんなの」
「いいから逃げて」


死に際がこんな映画のようなシーンになるなんて想像もしていなかった。