濁った僕を抱きしめて

一般人は防弾チョッキも何も身につけていない。
弾丸の当たり所が悪ければ即死だ。


警察も落ちるところまで落ちたな、と思いながら顔を出した。
道の先には誰もいない。


「後ろから誰か来てます」


言葉を聞ききる前に走り出した。
どれだけの人が俺達を追いかけ回しているんだ。


もう殺しはしていないから、逃がしてくれたって良い気がするのに。


繋いだ手に弱い力がこもった。
後ろを見ると璃恋が苦しそうに息をしている。


「ごめん、苦しい?」
「大丈夫です」


璃恋はそう言っているけど、このペースじゃきっと持たない。


影になるようなところに座らせて休憩をとらせた。
その時も銃は離さない。


少ししたら璃恋は回復したのか立ち上がった。


「ごめんなさい、もう行けます」


そう言って力強く頷いた。
俺との生活で璃恋は本当に強くなった。
その強さが璃恋に必要かと問われれば答えるのが難しいけど。