濁った僕を抱きしめて

運動神経には自信がある。
自信がなければこの仕事を十年も続けられないだろう。


すぐに警察官の頭に銃の焦点を合わせて引き金を引く。
ヘルメットでもしているかと思って連続で撃ったけど、弾丸はすぐに頭に入り込んでいった。


璃恋の手を握って走る。
一度撃ってしまった以上もう逃げられない。


警察官の声がする。
「いたぞ!」「そっちだ!」
ちっと舌を鳴らし、路地裏をくねくねと曲がる。


一瞬警察官に姿を見られた。
まずいと思ったが奴らはこの辺りに慣れていない。
俺達のことを見失ったらしく、「どこだ!?」と探しているような声が聞こえた。


パァンと銃声が響いた。


後ろの璃恋を振り返る。
璃恋も銃声に驚いているようだった。


俺が撃ったわけではない。璃恋も引き金を引いた素振りはない。
となると警察か?誰を撃った?


男の叫び声と女が慌てふためく声が聞こえた。
もしや一般人と俺を間違えて撃ったのか。