濁った僕を抱きしめて



朝起きたら世界は変わっているんじゃないかって、毎日のように思う。


わたし達が追われることも無くなって、平和に過ごせるんじゃないかって。
もしかしたらこれは全部夢で、都合の悪い悪夢なんじゃないかって。
わたし達がいるのはあの古くさいアパートで、そこでただ眠っているだけなんじゃないかって。


そう期待をしながら眠って、朝には現実を突きつけられる。


期待をしなきゃ良いって分かっているけど、やっぱりわたしは幸せに生きたい。
じゃあ拓海くんの元から逃げ出せばよかったじゃないかって言われるかもだけど、わたしは拓海くんといたかったんだ。


自己中だと笑われるだろう。
でもそれでよかった。


もうこんな大罪を犯してしまっている以上、他人(ひと)に笑われるのなんて痛くもかゆくもない。


今日もわたしは拓海くんの隣で目覚めた。


すべてを投げ出してしまいたくなるような世界で、唯一失いたくない物が隣にある。