濁った僕を抱きしめて

可愛い、と叫び出したくなるのを必死に堪えながら拓海くんの隣に座った。


眠っている拓海くんの顔は本当に綺麗だ。
初めて会った日もこんな体勢で寝ていた。


「なんか、あれですね」
「何?」
「今までの思い出を辿るみたいなことしてますね」


思い当たる節があったのか拓海くんは笑った。


「例えば何?」
「個人的でしかないんですけど、こうやって今拓海くんが寝てるとか。出会った日も全く同じ姿勢で寝ようとしてましたよ」
「あー、何となく覚えてる気がする。何となくね」


はっきりとは覚えていないんだ。
そう思って笑った。


ふわりと別世界に誘われるように眠気がわたしを誘う。
拓海くんも同じなようで、目を閉じてうつらうつらとしていた。


電気はつけていないし、バレないようにカーテンは閉めている。


その隙間から入ってくる光だけが、味方のように思えた。