濁った僕を抱きしめて

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「ふんふん、ふんふんふん……」


鼻歌を歌いながらカレーを混ぜる。
辺りに食欲を唆る匂いが立ち込め、拓海くんが興味津々な様子でこちらにやってきた。


「うわ、美味そ。これに肉もつくわけでしょ?最高じゃん」
「はいはい、危ないので向こうにいてください」


手で彼をあしらうと不貞腐れた様子で戻っていった。
ほんと表情がコロコロ変わる。


かき混ぜる手を止め、火を消した。
冷蔵庫からジップロックに入れた肉を取り出し、フライパンの用意をする。


油を敷き、肉を並べる。


香ばしい香りと音。
戻ったはずの拓海くんがもう一度隣に来る。


「危ないから向こうにいてって言ったじゃないですか、なんで来たんですか」
「気になるじゃん。言ったでしょ、俺料理しないって」


火が通ったのを確認し、フライパンから皿に移す。
爪楊枝でひとつ取って口に入れた。


「うん、美味しい。拓海くんも味見します?」
「する」