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車の中で拓海くんと大声で歌ったり、しりとりをしたりしていると時間はあっという間に過ぎて、車はアパートの近くまで来ていた。
「あ、あれじゃないですか。あのピンク色の」
「ほんとだ。待って嘘、ピンク色ってめっちゃ派手じゃない?」
「いいじゃないですか、可愛くて。モチベーション上がりますよモチベーション」
「それいつかも言ってたな」
駐車場に車を停めて、荷物を全て持ってアパートに入る。
隣に住んでいる人がいたらどうしようかと思ったが、あいにく隣人はいないみたいだった。
「隣に住んでる人とかいないんですね。割と綺麗なアパートなのに」
「ね。見て、ここも窓大きい」
拓海くんは窓で物件を選んでいるんじゃないかと思うほど行く先行く先に大きな窓がある。
この前の一軒家は少し先にビルがあってあまり景色が見えなかったけど、今回はいい感じだ。
「すげー、あんな遠くまで見える。ここ当たりだ」


