濁った僕を抱きしめて

俺にとっては璃恋もかなり表情豊かな方だけど、と思ったのを覚えている。


ずび、と鼻をすする音が聞こえた。


璃恋の方を見ればかゆいのか目を擦っている。
その瞳に輝くものがあった。


泣いているのか、と分かったけど見て見ぬふりをした。


俺は人の気持ちを理解することが苦手だ。


元々クズみたいな性格だったし、それは大して今も変わってないけど、昔の方が人に歩み寄ろうとしていなかった気がする。


歩み寄るだけ無駄。
いつしかきっと裏切られる。


そう思って誰のことも信じてこなかった。


でも今は少しだけ、璃恋の気持ちが分かる気がした。


お互いがお互いのことを好きで、一緒に逃げているのに、一緒にいれる未来は無い。
だったら、好きな人に殺されてしまいたい。


璃恋の事だ、そんな風にでも思っているんじゃないか。


少し嬉しいと思ってしまった反面、申し訳なさでいっぱいになった。