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「殺して欲しい、って言ったらどうしますか」
途端に頭を抱えたくなった。
この前から璃恋にそんな内容の事を言われることが多くなった。
俺が死ぬ事だけが動かせない事実になっている中、どうしたらいいか揺れ動いているんだろう。
出会った頃ならその願いを受け入れていた。
出会った、頃なら。
今は違う。
今は璃恋に生きて欲しくてたまらない。
俺が奪ってしまった幸せの分まで、璃恋には生きて欲しい。
だから、俺は璃恋を殺さない。
いや、殺せない。
「何それ。そんなこと言うなよ」
そう言うと璃恋は分かりやすくそっぽを向いた。
前から璃恋はそうだ。
すぐ顔に出る。
不機嫌な時も、嬉しい時も、悲しい時も、怒ってる時も。
ふと駅前で璃恋の友達に会った時のことを思い出した。
その友達は表情豊かで、そんなところが羨ましいんです、なんて言っていたっけ。


