濁った僕を抱きしめて

もしかしてそれは、違ったー


『一緒に死ぬ?』


欲しかった言葉が、やっと届いた。


『……拓海く』
『なーんて。嘘だけど』


嘘にしなくていい。
一緒に死ねればどれだけいいか。


手を繋いで、あわよくば抱き合ったまま死ねたならー


「璃恋」


気づけば車は高速道路に乗り込んでいて、目的地へと最高速度で向かっている。


「大丈夫?そう言えばお昼食べてないから、パンでも食べなと思ったんだけど」
「あぁ……ありがとうございます」


わたし達は常にパンをストックしていて、今日はそれも持ってきた。
パンを見ると急に空腹が気になりだして、ぐうとお腹が鳴る。


拓海くんはそれに気にしないふりをしてくれたけど、逆にそれが気まずさを生んだ。


誤魔化すようにパンを口に入れる。
同じようなパンしかないし毎日のように食べているからあれだけど、飢え死にするよりよっぽど良い。