濁った僕を抱きしめて

家に帰った時、出迎えがあった方が嬉しいだろう。


セルフレジで手早く会計を済ます。
スーパーでバイトをしていた経験もあり、慣れた手つきに拓海くんは驚いていた。


大して多くない荷物なのでわたしが持ちます、と言っても拓海くんは聞く耳を持たない。
奪われるようにして取られた。


仕方がないから買ったばかりの駄菓子をポケットから取り出す。


封を開けて何個か口に入れた。
ぴりりとした辛味が舌の上で暴れる。


「そうだ、食べます?美味しいですよ」


どうぞと言って駄菓子を差し出す。


眉根が寄って酷い顔だ。
恐る恐る一枚掴むと、ゆっくり口に入れた。
その仕草に思わず吹き出す。


「……あ、意外と美味しい。俺も大人になったわ。てか、なんで笑ってんの」
「いやー、めちゃくちゃビビってるなって」
「ビビってない。そんなこと言うと置いてくよ」


彼は急に走り出した。
時々後ろを振り返って、止まると思いきや止まらない。