濁った僕を抱きしめて

シューズインクローゼットがあったからそこにスーツケースたちをしまおうかとも思ったけど、その場所すら汚かったのでやめた。


玄関先の床でさえ埃まみれで、近くにあったスリッパを履いた。


「ほんとに埃まみれなんですけど、一回も掃除してないんじゃないですか」
「そうだと思う、掃除道具持ってきてたよね」


すぐには使わないと思ってスーツケースの下の方にしまってしまった。
何とかクイックルワイパーと雑巾を取り出す。


ひとまず玄関先の床を拭いて歩けるようにした。


「これ、二階もこんな感じなんですか」
「残念ながらそうだね」


同じところをやっても仕方がないので分担することにした。


わたしが一階、拓海くんが二階。
階段もあって部屋もいくつかあるらしいから大変だと思ったけれど、掃除は好きだから良いらしい。


そう言ってはいたけど初めて入ったあの家はゴミ屋敷への一歩を踏み出しているような家だった。