「分かんないな、量多ければ時間かかるし。なるべく早く帰ってくるよ」
拓海くんは携帯を机に投げ出し、ふわぁと欠伸をした。
ソファに背中を預け、瞼を閉じる。
ただでさえ綺麗な顔。
瞳を閉じて動かないでいると、彫刻のようでより綺麗だと思った。
「ちょっと寝るわ、夜眠くなると大変だから」
「了解です。わたしご飯の買い出し行ってきますね」
「え、大丈夫?行って帰ってこれる?」
拓海くんの瞳がぎゅんと開く。
大きい瞳が急に開いたもんだから、わたしはそれに吸い込まれそうになってしまう。
「……なんとかします」
実際なんとかならない。
拓海くんに引っ張られまくったおかげで大して道は覚えていないし、この地域に馴染みがある訳でもない。
それでも彼の眠りの邪魔はしたくない。
「なんとかならないって、俺も行く」
「でも寝るって」
「別にいい」


