濁った僕を抱きしめて

可愛いだなんて何度も言われた言葉だ。


意味合いは何にも変わらないのに、言う人が変わるとこんなにもむず痒いものなんだろうか。


「こんなこと女子高生に言っちゃダメか、捕まるわ」
「こうやって一緒にいる時点でアウトじゃないですか?」
「そうじゃん、やば」
「大丈夫ですよ、わたしは警察に告げ口とかしませんから」
「絶対するやつだろそれ」


拓海くんはそう言いながらカップ麺のお湯を捨て、ぺりぺりと蓋をめくる。


麺に息を吹きかけ、冷ましてから口に入れる。


それだけの仕草がなんだか色っぽくて、わたしは反射的に目を逸らした。


「……何。やっぱラーメン食べたかった?」
「いいです、わたしうどん派なんで」


よく分からないことを口走りながら、残りのフルーツサンドを詰め込んだ。


急激な生クリームの甘さに身体が驚く。


それを押し流すようにお茶を飲んだ。