君のブレスが切れるまで外伝―on a rainyday remember love―

「……何のつもりなの? 私は死ぬつもりなのだけど」


 目に映ったのは雨合羽の女の子。黒いミディアムヘアはあいにくの天気だというのにも関わらず、綺麗に整えられていた。
 ひと目で大切にされていると断言できる。私とは根本的に違う場所にいる子。私が振り向いたことで驚いていたようだけど、すぐにブンブンと首を横に振っていた。


「えぇ⁉ だ、ダメだよ死んだりしちゃ!」
「なぜ?」
「なぜ……って」


 口ごもる女の子。この子にどうしてか、言い表せない違和感を覚える。その答えが出ない代わりに、私は先程の自問への解答を出さなくてはいけなくなってしまった。