しばらく、晴人くんも私も呆然としていた。
 私はいまだに夢見心地で……

 ……正直、もっと飲んで欲しい気持ちがあった。

 ……って、何考えてるの私はっ⁈
 そう焦ったその時。

「ねぇ、彩花ちゃん僕の手握ったよね?」

 ギクっ!
 まさか、気づいていたとは……

「それって……ちょっとは期待していいってこと?」

 え……⁈
 それって……

「ねぇ、いい加減気づいて」

 晴人くんの顔を見ると、真っ赤な顔がそこにあった。

「僕はずっと前から……彩花ちゃんが好きなのに……」
「……⁈」

 す、き……⁈

 その声は真剣で。
 私は思わず返していた。

「……私も」
「えっ⁈」

 気づけば私は、晴人くんに抱きついていた。

「ずっと、大好きでした……今も、大好きですっ…」

 晴人くんの体が、同様に震える。

「彩花ちゃん……どうしてそんな可愛いの?」
「ふっ……⁈」

 私の唇が、晴人くんの唇に塞がれた。

「彩花ちゃんの初キス、誰にも渡したくないから」
「な、晴人く……」

 言い終わる前に、また唇を奪われた。

「今度は血より、他のが欲しくなっちゃった」

 甘いキスは、きっと晴人くんの愛と優しさで溢れていて。

 やっぱり私は、ヴァンパイアでも晴人くんが大好きだった。