静かな生徒会室で、会長と私だけが忙しく動き回っていた。
 会長ーーーー小柳晴人(こやなぎはると)くんは、真剣な顔でパソコンと向き合っていた。
 ……相変わらず、綺麗な横顔だなぁ。
 なんて、見惚れてしまう。
 こんな先輩は、女の子にモテモテなのも納得できる。

 そう、晴人くんは、学年ーーーーいや校内一のモテ王子なのだ。
 晴人くんを見た女の子は、きっと目がハートになるほど晴人くんに釘付けになっている。

 ……かくいう私も、晴人くんが好きだ。

 だって、こんなにカッコいいんだもん。
 好きにならない女の子なんていないよ……。

 晴人くんは何もかも完璧だ。
 容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。
 そんな晴人くんは人当たりも良く、いつも親切。
 当たり前だけどそんな晴人くんは超モテモテな王子様なわけで。
 晴人くんは私より一歳年上で。
 憧れの先輩……!
 でも晴人くんは後輩にも下の名前で呼ぶことを許してるんだ。
 だから私も、『晴人くん』って呼ばせてもらってる。

 でも晴人くんは、私のことも下の名前で呼んでくれるの……!

彩花(あやか)ちゃん』

 優しい声でそう呼ばれた時はもう……
 信じられないくらいドキドキしちゃうんだ。

 ……でもその時が一番幸せ……

 ……なんて。

 晴人くんはとてもカッコよくて、私からしたら空の上の憧れの先輩……。
 私に手が届くような人じゃないって、わかってる。
 でも……!

 ……晴人くんの横顔を見てるだけで、私はもうドキドキしちゃうけど、それと同じくらい幸せで……。

 もう本当に、大好きだなって思っちゃうの……。

 こんな私に好かれても晴人くんは困るだけだと思うけど……!
 晴人くんを見つめているだけで幸せなんだ……。

 だからこれからも、片想いをさせてください!