小学校に入って、旭と同じクラスが続いて一緒にいる時間が増えた。


「旭!このジャングルジムのてっぺんまで登れたら願い事が叶うんだって!」


公園の端にある大きな遊具を指差して言うと、あからさまに嫌な顔をしている。


「えー、めんどくせ。お前そんなこと信じてんのかよ」


「いいじゃん、やってみようよ!ほら早く!」


あからさまに嫌そうに答える旭の腕を引っ張って無理矢理連れていくと、先に登りはじめた僕にブツブツ文句を言いながら登ってくる旭の姿がおかしくて笑ってしまった。


「なに笑ってんだよ」


急に笑いだした僕に呆れたのか、旭は黙ってしまう。
頂上について振り返ると、下に居る旭を見下ろす形になった。
見下ろされるのが気に入らないのか、むっとした顔の旭と目が合うと凄い勢いで登ってきて隣にどかっと腰掛けた。


空が近い気がして気持ちいい。


「うわぁー!すごい景色!!」


丘の上にあるこの場所からは街が一望出来て、夕日に照らされてオレンジ色に染まる街並みが見えた。


「おぉー!すげぇー!遠くまで見えるな」


目を輝かせた旭は、ぱぁっと可愛い花が咲いたように初めて僕の前で笑った。

その瞬間、胸がワクワクしたようなドキドキしたような感じがして、不思議な気持ちになった