新学期、僕は新しいクラス……といっても僕は特進クラスなのでクラス替えはない。教室が一個上の階になっただけだ。
 この学校は中高一貫校。中学1年生の時点で特進クラス、普通クラスに分かれている。多分珍しい。
 教室を開けると見慣れた光景が並ぶ。

「よぉシュカ!おはよう!また同じクラスだな!また宿題写させてくれよ!」

「そりゃ特進は落ちない限りクラスのメンツは変わらないぞ?周平(しゅうへい)
 こいつは僕が中1からの“クラスメイト”だ。見た目はチャラ男、不良っぽい金髪。宿題もまともにやらずに他人のを移す。けれど実は成績はトップ2。普通に天才だと思う。

「そりゃそうなんだけどさ、シュカ聞け。」

「なんだ?」

「実はさ、、、上杉、普通クラスに下がったらしいぜ。」
そんなウキウキしていうものなのか?

「そうか。じゃあ新しいやつが上がってくるってことか。で、なんだ?新しく上がってくる子が超絶美人かイケメンかなんかなんか?」
こいつの場合、新しいやつが超絶美人かイケメンでないとここまでウキウキしない。逆に普通の顔と呼ばれる分類の人が入ってきてもそこまでウキウキはしない。今年で5年目の付き合いだ。それくらいもうわかる。

「それがな……」

「そこどいて。入り口で話さないでくれる?普通に邪魔」
 感情のない声。けれどとても綺麗な声。その声の正体はまさに今周平が言おうとしていた“新しいやつ”だった。