思わずため息をつきそうになって堪えた。こんな扱いには慣れているし、今更なんだっていうんだ。それに、どう見たってこの2人はお似合いだ。美男美女で。私なんかとは違う。
「6階ってことは食堂に行くんですよね?私もちょうど行こうと思ってて〜」
「そうなんですね」
「よかったら二人で一緒に食べませんか?」
〝二人で〟。妙に強調された言葉に身が縮こまる。
私、神崎さんにやっぱり邪魔だと思われている……?!
「ふたり?」
一之瀬さんの声がやけに真っ直ぐ鼓膜に響く。
きっと一之瀬さんだって私なんかと食べるよりも、美人で愛嬌のある神崎さんと2人きりで食べたいに決まっている。
「はい、〝ふたり〟で〜!」
神崎さんのなんの悪びれも感じない声が響いたのと同時に、ちょうどエレベーターは6階に到着した。
一之瀬さん、私を誘ってしまったばっかりに今必死に私への断り文句を探しているに違いない。申し訳ない。ここは私から引かないと。
「すみません、今日はやま」
「わ、私これから仕事があるんだった!」
神崎さんにとってはただの馬鹿でかい独り言に聞こえてるだろうけどしょうがない。一之瀬さんに負担に思われたくないから。
私は一之瀬さんの声に被せるようにしてそう声をあげた。



